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遺産分割はどのように?

遺産分割の対象は、財産名義のいかんに関わらず、被相続人が実質的に所有していた有形・無形の財産が、遺産分割の対象(一身専属権を除く) になります。

また、死亡保険金などは、受取人が誰に指定されているかにより遺産分割の対象になるかならないか異なります(例えば、被相続人が契約者、被保険者、受取人の場合は、相続財産となり遺産分割の対象になります)。

1. 遺産分割の時価調査
遺産分割協議を開始するに当り、財産の内容が明らかになっていなくては開始できません。
また、その内容をまとめた財産目録を作っておけば、それを見ながら話が進められるので、スムーズに運びます。 遺産分割での不動産評価は、相続税納税用の評価額と違い実勢価格(時価)で評価します。 但し、実務上は相続税評価額を基準に遺産分割を行うケースが多いようです。
  1. 土地
  2. 付近の土地の売買実例、不動産業者等のチラシ、不動産業者・金融機関等に聴取することなどにより時価を推定します。この方法がとれない場合は、国税庁の相続税評価額を求め、それを1.25倍した価額を時価と見ます。

  3. 建物
  4. 建物の固定し遺産税評価額を市町村役場から入手し2倍したものを時価と見ます。 (時価の50〜70%程度と言われています)

    (1) 新築当時の建築費が分かっていない場合(木造住宅の場合)

     再調達原価は新築単価×延床面積に門や堀などの実額を足した金額となります。

    (2) 新逐次の建築費が分かっている場合 (木造住宅の場合)

     再調達原価は建築時の新築単価×建築費倍率となります。

    ※ 詳しくは建物の簡易評価法PDFファイル(サイズ60KB)を参照

2. 遺産分割の協議
遺産分割に当たっては、次の点に留意します。
  1. 遺言書で各自の取得財産が指定されている場合は、それに従う。
  2. 遺言書がない場合は、相続人の話し合いで誰が何を相続するかを決めます。
  3. 相続人の中に未成年の子供がいる場合には、その者の特別代理人を選任しなければなりません(家庭裁判所へ申し立てます)。
  4. 故人の財産の維持や増加に特別の寄与をした相続人はその寄与に見合う格別の配慮を請求できます。
  5. 葬儀、法要、遺産調べなどで特に苦労した相続人に対してはそれなりの配慮をするのが望まれます。
  6. 既に触れた様に、死亡保険金や死亡退職金は遺産分割の対象になりませんが、公平な遺産分けとするにはこれらを遺産に上乗せし、その上で各自の法定相続分を試算することが望まれます。
  7. 相続人全員の同意があれば、法定相続分を無視した遺産分割も可能です。
  8. 話し合いがどうしても成立しない場合は、家庭裁判所の調停や審判を受けます。
  9. それでもうまくいかない場合は、裁判で決着をつけます。

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3. 遺産分割のときに知っておきたいポイント
遺産分割は相続人の話し合いで決めるのはもちろんですが、分割のやり方次第で相続税を減額できるケースもありますので、専門家からアドバイスをうける事も考えるとよいでしょう。 以下にそのポイントを紹介しておきます。
  1. 配偶者の相続する割合については、一次相続だけでなく二次相続を通算して、有利・不利に判定をする。
  2. 配偶者は、小規模宅地の評価減を受けない方が有利である。子が受けた方がよい。
  3. 1区画の土地を別々の相続人で分割取得する事で、相続税評価額を低くできるケースがある。
  4. 自社株の評価は、遺産分割の仕方によっては配当還元方式で低く評価できる事もある。
4. 遺産分割の方法
遺産分割は以下の方法を色々組み合わせて行います。
  1. 現物による分割とは
  2. 不動産は○○に、預貯金は△△というように、特定の財産を特定の相続人が相続する方法です。遺産分割は、現物分割を基本とします。

  3. 債務負担による分割(代償分割)とは
  4. 長男が1人で家屋敷を相続する代わりに、次男と三男には長男が○○万円を支払う−というような分け方をいいます。

    農地の細分化防止の目的で、この方法が多用されます。しかし、債務を負った相続人の資力が問題となる場合があります。

  5. 換価による分割(価格分割)とは
    遺産をすべて現金化し、その代金を分け合う方法です。

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